Independent Contractor Status in the Delivery Service Industry – Japanese Translation

配送サービス産業における個人請負の地位
Back in Urban Velo #6 we published an article by Corey Hilliard, Independent Contractor Status in the Delivery Service Industry regarding the labor conditions of bicycle couriers from the perspective of a long time messenger and delivery service owner. Kenji Jinno of www.realmessenger.jp translated the article to Japanese, as messengers across the world face similar working conditions.

配送サービス産業における個人請負の地位

アメリカ合衆国の配送サービス産業は今、徹底的な見直しの必要に迫られている。労働者たちは、彼らの努力にまったく見合わないほどの酷い収入しか得ていない。どこかでずっと昔、企業の労働者を被雇用者ではなくて個人請負(Independent contractor)とみなしてもかまわないという労働法の抜け穴を悪用した人がいた。この悪用が、今や標準となってしまったのだ。

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配送サービス産業における個人請負の地位

By Corey Hilliard

アメリカ合衆国の配送サービス産業は今、徹底的な見直しの必要に迫られている。労働者たちは、彼らの努力にまったく見合わないほどの酷い収入しか得ていない。どこかでずっと昔、企業の労働者を被雇用者ではなくて個人請負(Independent contractor)とみなしてもかまわないという労働法の抜け穴を悪用した人がいた。この悪用が、今や標準となってしまったのだ。
ほとんどの自転車メッセンジャーは、彼らを個人請負として処遇するメッセンジャー会社で働いている。ということは、メッセンジャーたちは医療費や保険料、仕事に必要な道具類にかかる費用を支払いつつ、自身の地方税、州税、連邦税も自分で支払う責任を負うということである。メッセンジャー会社が負うのは、そのサービスの必要に応じてメッセンジャーに顧客を供給する責任だけである。自転車メッセンジャー産業における問題は、そうした個人請負労働者たちが、本当の意味で独立の請負ではないという点である。例えば大工がある仕事を取ろうとするときを考えてみれば、はたして自分がいくら支払いを受けるべきか自分で考えて見積りを出すだろう。ところが自転車メッセンジャー産業においては、デリバリー料金はメッセンジャー会社が決めるのであってメッセンジャーが決めるのではない。本当に独立した個人請負メッセンジャーであったとしたら、悪天候の中を走らなければならない日のデリバリーにはより多くの支払いを受けてもよさそうなものだが。
自転車によるデリバリーの価格設定は、供給されるサービスの水準に比べて安い。配達までに3日かかるサービスに対しては、人は郵便局に第一種郵便の切手代を支払う。翌日届けのデリバリーに対しては、主要な運送会社に10から15ドルを払う。しかし即日届けの、ドアツードアの配送サービス[訳注:つまり、メッセンジャーのサービス]は、前二者よりもコストがかかるにもかかわらず、顧客はそれよりも少ない額しか請求されないのである。過酷な競争と、街の全域を自転車で走りまわるという労働が低く見積もられていることとのせいで、自転車によるデリバリーの価格は他の産業よりも安く買い叩かれている。
被雇用者は時間給や交渉による合意に基づいた金額の月給を受け取るが、個人請負の自転車メッセンジャーはデリバリー一件ごとにいくら、という報酬を受け取る。適切な価格設定がされていないので、メッセンジャーたちは少しでも多くのお金を手にできるように、一件でも多くのデリバリーをこなそうとせざるを得ない。メッセンジャーが潜在的な収入を増やそうと交通法規を破るのはごく普通のことであり、自転車メッセンジャーと言えば赤信号を突き進み、歩道を暴走する連中だという評判が定着し、社会の脅威となっている。法を破れというのは決してメッセンジャー会社の方針ではないが、無謀な命知らずのメッセンジャーには目くばせが送られ、見て見ぬふりがされているのである。
 自動車が行きかう悪路で危険走行を繰り返していると、しばしば大けがを負うことがあり、まれに死を招くこともある。賃金は低く自転車用具は高価で、本来その雇用主が支払うべき諸経費がそれに加わると、メッセンジャーたち自身に健康保険料を支払う余力はほとんどなくなってしまう。この仕事の性格上、健康保険と労災保険とは他の仕事以上に必要とされるのだが、それはいざ事故が起こるまで無視されることも少なくない。悪天候にさらされ、何時間にもわたって自転車をこぎ続けるため肉体的にもきつく、さらには自動車との衝突リスクも高い自転車メッセンジャーという仕事は、アメリカで最も危険な仕事の一つである。
労働者の福利厚生のための適切な金銭的補償が行われるようになる可能性があるとすれば、それはライダーが彼らの会社とうまく交渉するか、その酷さを適切な公的機関に報告するかした時だけである…ただし仕事はそれによって厳しい状態になるのが常であるが。国税庁からSS-8の用紙を入手してみると、それに労働者が個人事業主なのか企業の被雇用者なのかを判定するためのいくつかの質問が載っている。もし国税庁がその人が被雇用者であると判定したら、その企業は罰金と、適切に処遇された被雇用者と労働者の歩合にかかる税金とを支払わなければならない。この書類を申請した労働者は解雇の危険から保護され、企業はこうした行為による他の訴訟においても責任は免れない。しかし残念なことに、ほとんどのメッセンジャーたちは仕事を失うことを恐れ、彼らの雇用主に対して異議を申し立てようとしていない。
現在までのところ見通しは暗いが、現在、FedEXの陸運労働者たちが雇用労働者としての登録を求めてうまく訴訟を起こしており、それは全国的な先例となろうとしている。カリフォルニア州では国税庁がFedEXに対し、2002年だけで3億1900万ドルの支払義務があるという決定をすでに下している。マサチューセツ州ではFedEXに対し、労働者を被雇用者ではないとした誤った分類によって、控除による歳入と労働者の月給からの税金が州に対して支払われてこなかったという判決が下された。36の州で労働者が起こした同様の訴訟があり、それらはこの一つの事例に統合されようとしている。FedEXによる上訴がすべて退けられれば、彼らに課された罰則が見せしめとなり、これ以降他の企業も同様の詐欺的な不正を働く気を起こさなくなるだろう。FedEXの労働者は自転車ではなくエンジン付きの自動車に乗っているが、その仕事の性格はメッセンジャーと同じようなものである。
こうした危機的状況による不正に対して巨額の金銭支払いの決定が出たことが世間に広く知れ渡ることによって、メッセンジャーたちが自分たちの権利のためにもっと積極果敢に戦うことができるようになり、また当局の企業に対する取り締まりが改善されていくことを願っている。

Photo Caption:
Corey Hilliard
1990年から走っているベテランメッセンジャー。
かつて10年にわたりペンシルバニア州フィラデルフィアにてVespid Couriersというメッセンジャー会社を経営。現在はニューヨークで働いている。

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